判時掲載刑事及び行政関係医療過誤事件
No 裁判所 裁判日 判例集 病名 経過 結果 責任 理由 備考 種類 　
1 最高裁一小 1963/06/20 判時０３４０号００３２頁 妊娠中絶 医師に指示された看護師が静脈ではなく誤って動脈にオイナールを注射 右腕壊死 ○ 麻酔剤誤注入 オイナール→全身麻酔剤 刑事 　
2 仙台高裁 1963/07/22 判時０３４５号００１２頁 胃病、喘息 慢性疾患患者にHS高周波治療を施行 無資格医業 ○ あんま師、はり師・・法１２条違反
　		 刑事 　
3 大阪高裁 1966/06/29 判時０４６５号００７５頁 美容 ストロンチューム９０によるベーター線照射施行 放射線皮膚炎・癜痕 ○ 慎重な研究、細心注意懈怠
　		 刑事 　
4 千葉地裁 1972/09/18 判時０６８１号００２２頁 献血 陰圧の採血装置を陽圧にしたため静脈内に空気が逆流・空気塞栓症 脳軟化症・死亡 ○ 医師の点検確認義務違反 罰金５万円・千葉大採血ミス事件 刑事 　
5 東京高裁 1973/05/30 判時０７１３号０１３３頁 献血 陰圧の採血装置を陽圧にしたため静脈内に空気が逆流・空気塞栓症 脳軟化症・死亡 ○ 点検確認義務違反・禁固１０月 千葉大採血ミス事件の二審判決 刑事 　
6 札幌地裁 1974/06/29 判時０７５０号００２９頁 動脈管開存症 根治手術の際、看護師が電気メスの端子を誤接続→右足に高熱傷 足切断 ○ 看護師有罪罰金５万円・医師無罪 北大病院 刑事 　
7 神戸地尼崎 1974/06/21 判時０７５３号０１１１頁 十二指腸潰瘍 循環式麻酔器の笑気ボンベと酸素ボンベの耐圧ゴム管を間違って接続 死亡・西宮市立中央病院 ○ 安全点検確認懈怠・看護師が接続 禁固６月・猶予１年・麻酔医師・刑事 刑事 　
8 札幌高裁 1976/03/18 判時０８２０号００３６頁 動脈管開存症 根治手術の際、看護師が電気メスの端子を誤接続→右足に高熱傷 足切断 ○ 看護師有罪罰金５万円・医師無罪 札幌地裁19740629の二審判決 刑事 　
9 釧路地裁 1977/02/28 判時０８５８号０１１５頁 食道下部狭窄 手術時に鉗子（約２０cm）を体内に遺留・膵臓炎発症 死亡 × 鉗子遺留と膵臓炎因果関係否定 被告人は釧路市立総合病院副院長 刑事 　
10 福島簡裁 1977/02/18 判時０８５８号０１３０頁 バネ症 １歳の女児をケタラールで全麻→ミルク等を誤飲 窒息死 ○ 絶食等の指示懈怠・罰金１５円 バネ症→腱鞘炎の一種 刑事 　
11 大阪高裁 1977/12/23 判時０８９７号０１２４頁 歯髄炎 ５歳児の歯に充填した歯髄失活剤を取出すとき口を開かないので殴打 全治５日の打撲傷 ○ 実力行使社会的妥当性を欠く 罰金１万円 刑事 　
12 大津地裁 1978/07/18 判時０９２１号０１４０頁 頸椎鞭打症 治療のため麻酔剤キシロカインを頸部硬膜外注射→ショック 死亡 ○ 救急蘇生措置不備・罰金５万円 国立八日市病院 刑事 　
13 東京地裁 1979/01/12 判時０９２４号０１４１頁 託児 生後８４日の乳児を柔らかい布団の上にねかす 窒息死 × 死因不明
　		 刑事 　
14 函館地裁 1978/12/26 判時０９２５号０１３６頁 不明 糖負荷検査に使うブドウ糖と間違えて血液凝固添加粉末を投与 中毒死 ○ 確認懈怠・注文聞き違えが発端 フッ化ナトリウム・エチレンジアミン 刑事 　
15 東京地裁 1979/07/03 判時０９３０号００２６頁 執行停止申し立て 妊娠７月以降の妊婦に出産を勧め新生児を他人の実子として届け出斡旋 回復困難な損害 ○ 損害肯定 菊田医師事件 行政 　
16 札幌地裁 1979/11/28 判時０９７１号０１３０頁 失火 解凍のためガストーチランプの炎を壁に噴射したところ隙間から板に着火 新生児３、入院患者１死亡 ○ ボイラーマン、院長、理事有罪 各禁固１年、猶予２年 刑事 　
17 札幌地裁 1980/09/01 判時０９８７号０１３５頁 無資格診療 歯科技工士が業として問診、装着等行う 歯科医師法１７条違反 ○ 懲役８月、猶予３年
　		 刑事 　
18 札幌高裁 1981/01/22 判時０９９４号０１２９頁 失火 解凍のためガストーチランプの炎を壁に噴射したところ隙間から板に着火 新生児３、入院患者１死亡 × 院長無罪、理事破棄差し戻し 札幌地裁19791128の二審判決 刑事 　
19 仙台地裁 1982/03/30 判時１０３９号００３６頁 赤ちゃん斡旋 虚偽の出生証明書を作成して赤ちゃんを斡旋 罰金２０万円指定医取消 ○ 医師会の指定医取消妥当 菊田医師事件 行政 　
20 大阪高裁 1983/02/22 判時１０９１号０１５０頁 鞭打症 治療のため局麻剤キシロカインを頸部硬膜外注射し局麻剤反応発現 死亡・国立八日市病院 ○ 救急救命準備と措置不適切 刑事事件・介助看護師指導不良 刑事 　
21 仙台地裁 1985/03/12 判時１１４９号００３７頁 急性散在性脳脊髄膜炎 インフルエンザHAワクチンで罹病。医療費請求・市長棄却 下肢麻痺等 ○ 因果関係肯定 予防接種法１６条で医療費請求事件 行政 　
22 仙台高裁 1985/03/29 判時１１５１号００４８頁 赤ちゃん斡旋 虚偽の出生証明書を作成して赤ちゃんを斡旋 罰金２０万円指定医取消 ○ 医師会の指定医取消妥当 仙台地裁19820330の二審判決 行政 　
23 東京高裁 1986/03/31 判時１１８９号００１５頁 赤ちゃん斡旋 赤ちゃん斡旋で罰金刑を受ける 医業停止６か月 ○ 控訴棄却 菊田医師事件 行政 　
24 最高裁三小 1988/01/19 判時１２６３号００４８頁 堕胎 堕胎により生まれた未熟児を５４時間放置 死亡 ○ 保護者遺棄致死罪成立 　 刑事 　
25 浦和地川越 1988/01/28 判時１２８２号０００７頁 医師法違反 無資格である理事長が患者を診察診断 無資格診療 ○ 懲役１年６月執行猶予４年 富士見産婦人科病院事件 刑事 　
26 浦和地川越 1988/01/28 判時１２８２号０００７頁 看護師法等違反 医師である院長が夫で無資格である理事長と共謀して諸検査等を行う 無資格検査 ○ 懲役８月執行猶予３年 富士見産婦人科病院事件 刑事 　
27 最高裁二小 1988/06/17 判時１２８９号００３９頁 赤ちゃん斡旋 虚偽の出生証明書を作成して赤ちゃんを斡旋 罰金２０万円指定医取消 ○ 医師会の指定医取消妥当 仙台高裁19850329の上告審判決 行政 　
28 横浜地裁 1995/03/28 判時１５３０号０２８頁 多発性骨髄腫 多発性骨髄腫末期男性患者に塩化カリウム製剤等を注射 死亡 ○ 患者、家族の意思疎通不十分 懲役２年猶予２年間・東海大安楽死事件 刑事 　
29 最高裁二小 1988/07/12 判時１３４２号００６８頁 赤ちゃん斡旋 赤ちゃん斡旋で罰金刑を受ける 医業停止６か月 ○ 上告棄却 菊田医師事件 行政 　
30 最高裁一小 1997/09/30 判時１６１９号０１４８頁 無免許医業 眼科医である被告人が無資格者にコンタクトレンズの検眼着脱させる 医師法１７条違反 ○ 共同正犯 　 刑事 　
31 大阪地裁 2000/02/24 判時１７２８号１６３頁 エイズ 非加熱血液製剤を販売したためエイズに感染 死亡 ○ 販売中止回収義務懈怠 社長禁固2年副社長禁固1年6月実刑 刑事 　
32 東京地裁 2001/03/28 判時１７６３号００１７頁 血友病 治療薬として非加熱濃縮血液凝固因子製剤の投与を受けHIV感染 死亡 × 予見可能性なし 帝京大学付属病院阿部副学長 刑事 　
33 東京地裁 2001/08/30 判時１７７１号0１５６頁 変死届出懈怠 医療過誤で死亡した患者の死体を検案したが２４時間以内に届け出せず 死亡 ○ 医師法２１、３３条違反 都立病院・主治医・院長。都職員共謀 刑事 　
34 東京地裁 2000/12/12 判時１７７１号０１６８頁 リュウマチ 他の患者用の消毒薬を血液凝固防止剤と間違えて点滴注入 死亡 ○ 薬剤準備と注入ミス肯定 禁固１年と禁固８月・両名猶予３年 刑事 　
35 大阪高裁 2002/08/21 判時１８０４号１４６頁 エイズ 非加熱血液製剤を販売したためエイズに感染 死亡 ○ 販売中止回収義務懈怠 社長禁固1年6月副社長禁固1年2月実刑 刑事 　
36 横浜地裁 2005/03/25 判時１９０９号１３０頁 気管支喘息 気管支喘息重積発作患者から気管支挿管を外した後に筋肉弛緩剤注射 死亡 ○ 医療行為中止説明不十分 懲役３年猶予５年間 ・安楽死事件 刑事 　

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